匠たちのリレーコラム #12

「固いアタマと柔らかいアタマ」 花塚光弘

 

もうすぐ 夏休みも終わり。
子供と一緒に 最後の追い込み。
夏休みの宿題を作っている。

「どうしてもココはこうしたい」
という子供。
「ココは難しすぎて無理」
という僕。
子供の考えるものは カタチにしようとすると無茶苦茶だけど 面白い。
その無茶苦茶なものを なんとか頑張ってカタチにする子供。
見たこともないものができあがると 僕もなんだか嬉しい。

子供がまだ小さい頃 僕が子供用に作ったスツール。
子供は スツールを横にして 二本の脚の上に立って飛び跳ねていた。
大人の決めた使い方なんて 全然関係なし。
僕の作ったスツールは 座るためのものではなく 遊ぶためのものとなった。

僕は とてもアタマが固い。
子供は 考えるカタチも使い方も 決まりなんてない。
僕はいつから カタチと作り方を一緒に考えるようになったんだろう?

子供の持っている 自由な考え方と柔らかいアタマ。

親が子供から教わること。
これから もっと増えてくるのかもしれない。