木工屋はサッカー部員、妻は冒険家?

                                                                   

                                                                    今日の人たち

                        Aさん・・・竹屋の奥さん
                        Bさん・・・木工屋の独身女子
                        Cさん・・・木工屋の奥さん
                        (Dさん・・・三人の噂話に登場する木工屋) 

 

  

 

       A:最初住んでた家は完全に山の中の一軒家で、引っ越してくるまでそんなとこだなんて知らなかっ
たんだよね。
B:見てなかった?
A:そこに引っ越してくるまで九州にいたから。
B:技専に入るためにお引っ越しをして来たんですね。
C:親は来るのに反対しなかったんですか?
A:全然なかったね。ただ、こっちへ引っ越してきた時に、どういう家だったか見ていなかったから、
自分たちで引っ越してきたのよ、トラック借りて。
BC:うんうん。
A:で、子供が4歳と1歳だったからちょっと大変だったんだよ。うちのばあちゃん一緒に乗せて。
C:えっ!一緒に来たの!
A:ちょっと子供の面倒みててくれって言って、乗用車私が運転して、旦那は荷物載せてトラック運転して行くんだけどさ、これ道、間違ってるよね、みたいな。
B:うーん。
A:そしたらリスとかが通り始めて、どっかでUターンしなきゃっていうんだけど出来ないんだよね、山道だから。
C:ははは。
A:で、突き当りに家が。その時にばあさんがその家を見て、泣いた。
B:そんなにひどかった?
A:大家さんも、今までこんな小さい子供連れで冬を越せた人間はいないって言うんだよね。もともと民宿だったんで、馬鹿でかかったの。リビングだけでも20畳くらいあって。
B:まあリッチ。
A:ぼろいんだよ。ドラム缶みたいな薪ストーブがあって。薪ストーブなんて今まで使ったことない。そこから始まるんだよね。
B:そこからワイルドな生活が始まっていったんですね。
                   ◇
                   ◇
A:木工屋さんと竹屋さんて、全然タイプが違って、竹屋さんって、どっちかっていうと、オタクっぽい?
B:ほう。
A:なんか中学とかの部活動で言うと、木工屋さんてサッカーって感じがするんだけど、竹屋って卓球って感じがするんだよね。
B:それはA(夫)さん本当に卓球やってるからじゃない?でもC(夫)さん見ててもサッカーのイメージあんまり・・・。
C:私サッカーやってましたけど。・・・そうそう、(夫も)サッカーやってました。(笑)
B:え、本当に?
C:キーパー。あの長い腕を生かして。でも全然うまくなかったって言ってました。確かにそんなにチャカチャカ動くような感じではないですね。
A:なんか人気者って感じがするの。木工屋さんはね。でも竹屋は、みんな遊ぼうぜっていうときに部屋に残ってごそごそやってるってイメージ。これちょっとギリギリ。書かないで。竹屋さんに怒られるから。(笑)
B:今の話面白いです。書きたいなあ。
A:朝7時から夜7時までこもってるんだよ。友達いなくても、誰とも会えなくても全然平気。
B:機械がないから、今やってる手元だけに集中しますよね。竹って単純作業がすごく多い印象がありますね。C(夫)さんも単純作業が多そうなので、タイプ似てるかも。
C:うーん、すごい単純ですね。
B:普通の木工屋と違うもんね。
C:うろこ作るのに(テーブルの天板をノミで削ってうろこ状に仕上げるのに)1週間。引きこもりっちゃあ、引きこもりですよ。息をするのも忘れてるとか言ってました。で、こんなうろこを。(スマホで画像見せる)
B:え、ちょっと待って。老眼なんで。(スマホを離して見る)
A:来たねー。もう老眼なんだよ、もう。
B:やだ細かい、彫り方が。
C:そう。
B:Cさんフェイスブックやってるの?
C:こういうの(製品の画像)もちょっと流したくて、やろうと思ったんですよね。あの…(夫の仕事を)汚さないようにって思って。秩序を持った・・・。(笑)
B:すごい、いろいろと考えてる。
C:でもAさんはA(夫)さんの仕事にすごく加速つけてるような、すごい力強いと思います。頼りになると思います。私は一切関わらないほうが良いみたいな感じなんで。
A:私は絶対的に黒子なんだよね。だからもう写真も、チラシもNG。雑誌の取材とかは絶対私は入らないってことで。
C:私もそうです。絶対に入らない。でもAさんはすごい関わってますよ。ギャラリーだって。
B:販売に関わるのは結構重要ですよね。
C:あの空間大好きですね。アンティークのものを店に並べて、ていうの、本当はやりたいんですよ。
(夫の)作ってあるものが今仕事場にいっぱいあって、見に来る人があると結構その場で買ってくれたりするんですよ。だからそういう場を提供するっていうのが、自分のやりたいことなんですけど、でもちっちゃい子供がいると、今は食わせるときだって思ったりするから。
A:うん、そうだそうだ。私がやり始めたのはやっぱり子供が手が離れてからだった。
C:じゃやっぱり私もいま頭の中で思案するときですね。
B:周りの人のお店を見て私はどうしようかなって考えたほうがいいかも。
A:ラッキーだよね。そういう風に見れるから。貯めれるから。
C:そうですね。だから今、木の匠たちで、(夫)がいろんな知り合いを作ってくれて、いろんなものが見れて、とっても幸せですね。
A:うちも木の匠があったからいろんな人と知り合えた。それまで引きこもりだったからさ。
                   ◇
                   ◇
A:こういう関係の仕事してる人って、年寄り臭くないよね。
C:そうですね、Dさんだってね。ちょー若いピンクのシャツとか着てますよね。
B:おしゃれだね。
C:水色のパリッとしたシャツもね。でもそれとはまた別にA(夫)さんみたいな感じも好きですけどね。
A:しゃれてないってこと?(笑)
C:あの、仕事場からそのまま来ました、みたいな。
A:(笑)
C:便所サンダルみたいな感じで。(笑)ああいうのも好きなんですよね。あんまり人を意識してないみたいな感じで。
A:意識しないのよねー、人を。
C:奥さんにはすごい気を使ってますよ。(笑)
A:気を使ってる?使ってないでしょ全然。
C:一緒に飲んでる時とか。気を使ってますよ、いつも。A(夫)さんが全然飲めないっていうのもおもしろいですね。どぶろく作って、飲みに来てくれた時も飲まなかったですね、ほぼ。
A:だから私が行ったんだよ一緒に。初めてC(夫)さんのところに行くっていうんで、C(夫)さん飲むだろうから、じゃあって一緒に。それが初めてだったんだよね。
B:お酒要員で。
A:うんそう、いつもそうだよ。
B:いやなの?
A:いや全然いやじゃないんだけどさ。
C:それもいっぱい黒子になってますね。
B:分担してる。二人で一つみたいに分担してる。
A:そう言われたらね。そう言われると。
C:うーん、本当ですね。
A:C(夫)さんは緻密で鋭い感じがするわ。
C:無頓着です。人に興味ないですよ、やっぱり。長野に来て40年になるんですけど、ずっと仲良い人のこと、仕事何やってるんだって聞いても、知らないとかいう。でもそういう、仲良くて2週に一回とか顔出してくれる人がすごいいっぱいいるんですよ。だから年末とか傘地蔵みたいになって。
B:傘地蔵?
C:リンゴとか米とかイモとかすごいいただいて。本当に助かっていますね、みんな。
B:でも何やってる人か知らないの?
C:知らないんです。(笑)全く知らない。あそこ困ってるだろうから持ってけみたいな、みんな思ってくれて。
B:人徳だ。
C:人徳っていうか、ボロボロの洋服着てるんですよ普通に。仕事してるときは。ダウンジャケットにガムテープ貼ってるんですよ、穴あいた、とか言って。
A:Bさんもそういう恰好してたんだよ。ありえんよなって誰か言ってた。
B:そうそう。(笑)
                   ◇
                     ◇
C:Aさんは副業というか、バイトもしてたんですか。
A:いっぱいしたよ、食えんから。事務屋とか、居酒屋でもやったよ夜に。
C:子供たちは、もうそういう時間は、お母さんは働いてるところだって感じで…。
A:うん、そうそう。
C:そうですよね。私も帰り遅くなってきても、お父ちゃんがいるから安心して家に帰って来れるみたいな。
A:Cさんは子供が2人出来て、働きに出たっていうのはやっぱりコンスタントに収入が入ってくる状況ではないからってこと?
C:うん、個人的な話なんですけど、まず結婚して、(そのすぐ後に夫が)入院しなきゃいけなくなって。生きるか死ぬかですよね本当に。だから作家の奥さんて結構サバイバルな感じがします。
A:サバイバーだよね。
C:冒険家向いてると思います。大きい手術だったんで、何の収入も無いような感じで、でも子供が、その時は下の子が1歳半だったんですよ。
A:きついね。
C:きついですよ。だからすぐ保育園に預けなきゃいけなくて、でも保育園のお金も払えないし、と思って、仕事始めたって感じ。
B:はあー。
C:なんかこう、落ち込んでる暇ないですよね。
A:悩む暇なんかない。考えるしかない。考えるだけ。悩まない。
C:だからうつ病にならないから、躁病みたくなってきますよ。(笑)
A:木工家の奥さんとか見てると、どっか大陸的なんだよね。1か月後の収入がとても気になる人はね、つらい。続いてる人は、どこか抜けてるんじゃないかと思う。
C:1つだけじゃ無理ですね。何個か抜けてますね。
A:いろいろ抜けてるよね。
B:大陸的、なのかな。最も収入を気にしてないのは旦那の方だけど。
C:ま、そういうのをやりたくてそっちの道を選んでるわけですからね、男の人は。
A:で、その人と結婚をしたっていうことはもう黒子なんだよね。

 

 

2016.2.11

 

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